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内側半月板が治りにくい人の共通点

― なぜ「安静にしても良くならない」のか ―

「しばらく様子を見ましょう」

「筋トレをすれば良くなると言われた」

「手術までは必要ないと言われた」

 

それでも、

内側の膝の痛みが何ヶ月も続いている

そんな人は少なくありません。

内側半月板損傷が“治りにくい”のには、

はっきりした共通点があります。

 

そもそも内側半月板は「治りにくい構造」

内側半月板は

可動性が低い 内側側副靱帯(MCL)と連結 荷重ストレスを受けやすい

👉 もともと逃げ場がない構造

 

そのため、

「ちょっと休めば治る」という前提がそもそも合わないケースが多いのです。

 

 

共通点①:体重のかけ方が変わっていない

治りにくい人の多くに見られるのが、

立つと無意識に内側荷重 片脚立ちで膝が内に入る 靴底の内側だけ減る

これは

👉 内側半月板に“毎日リハビリ以上の負荷”をかけ続けている状態

どんな施術や運動をしても、

日常動作が変わらなければ回復は進みません。

 

共通点②:内側広筋(VMO)が使えていない

内側半月板を守る最大の筋肉が

**内側広筋(VMO)**です。

しかし実際は、

太もも前は張るが内側は使えていない スクワットすると膝が内に流れる 階段で痛みが出る

👉 「鍛えているつもり」で、守れていない

という状態が非常に多い。

共通点③:股関節が“動かない”まま膝を使っている

股関節内旋・外旋が硬い しゃがむと膝主導になる 歩行時に骨盤が動かない

このタイプは

👉 本来股関節で受ける負荷を、膝が代償

結果、内側半月板が慢性的に酷使されます。

共通点④:「炎症」と「変性」を同じものだと思っている

内側半月板の痛みは

急性炎症 慢性変性

この2つが混在していることが多い。

炎症期なのに動かしすぎる

変性期なのに安静にしすぎる

👉 フェーズの見誤りが、回復を長引かせます。

内側半月板が回復に向かう条件

荷重ラインの修正 股関節主導の動作獲得 VMOを「使える筋」に戻す 炎症と変性の切り分け

膝を治す、ではなく

「身体の使い方を治す」

これが、内側半月板には不可欠です。

参考文献

1.Kapandji IA. Physiology of the Joints Vol.2

2.Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System

3.Magee DJ. Orthopedic Physical Assessment

内側半月板と外側半月板の違い

― 痛み方・壊れやすさ・身体の使い方まで ―

 

半月板損傷と一言で言っても、

「内側半月板」なのか「外側半月板」なのかで、

痛みの出方も、壊れやすさも、対処の考え方も大きく変わります。

実際の臨床でも

 

「同じ半月板損傷と言われたのに、経過が全然違う」

というケースは珍しくありません。

 その違いの正体を、今回は分かりやすく解説していきます。

まず結論:一番の違いは「動きやすさ」

👉 内側は壊れやすく、外側はトラブルが派手になりやすい

これが大枠の理解です。

内側半月板の特徴

◾️ 解剖学的なポイント

脛骨内側顆に強く固定 内側側副靱帯(MCL)と連結 可動性が低い

つまり、

👉 「逃げ場がない半月板」

◾️ 内側半月板が損傷しやすい理由

捻じれストレスを受けやすい 加齢による変性の影響を受けやすい 日常動作(立ち上がり・階段)で負荷が集中

そのため、

中高年 明確な外傷がない いつの間にか痛くなった

こうしたケースでは内側半月板が関与していることが非常に多いです。

◾️ 内側半月板損傷の症状傾向

膝の内側の鈍い痛み 動き始めが痛い 正座・しゃがみで悪化 慢性的に続きやすい

👉「なんとなく治らない膝痛」の正体になりやすいタイプ

外側半月板の特徴

◾️ 解剖学的なポイント

脛骨外側顆との結合が緩い 膝窩筋腱が関与 可動性が高い

👉 「よく動くが、その分トラブル時は厄介」

◾️ 外側半月板が問題になるケース

スポーツ中の急な切り返し ジャンプ着地 前十字靱帯(ACL)損傷と同時

若年者・運動量が多い人に多いのが特徴です。

◾️ 外側半月板損傷の症状傾向

膝の外側の鋭い痛み 引っかかり感が強い ロッキングが出やすい 腫れが目立つ

👉 症状は急性・劇的になりやすい

筋肉との関係の違い

◾️ 内側半月板と関連が深い筋

内側広筋(VMO)

内転筋群

ハムストリングス内側(半膜様筋)

内側支持機構が崩れると

→ 半月板に直接ストレスが集中

◾️ 外側半月板と関連が深い筋

膝窩筋

大腿筋膜張筋(TFL)

ハムストリングス外側(大腿二頭筋)

特に膝窩筋の機能低下は

外側半月板トラブルの見逃されがちな要因です。

神経・身体全体から見た違い

内側半月板タイプ

骨盤の前後傾アンバランス

股関節内旋制限

足部の過回内

👉 姿勢・荷重パターン由来

外側半月板タイプ

体幹の回旋制御不全

股関節外旋優位

急激な方向転換癖

👉 動作・運動制御由来

対処の考え方も変わる

内側半月板

炎症コントロール

荷重バランス修正

筋持久力・安定性重視

外側半月板

動作修正

瞬間的な制御力改善

過剰な緊張の解除

同じ「半月板損傷」でも、

真逆のアプローチが必要になることもある、という点は重要です。

まとめ

内側半月板:動きにくく、壊れやすい、慢性化しやすい

外側半月板:動きやすいが、損傷時は症状が強い

痛みの場所だけでなく「身体の使い方」が鍵 膝だけを見ない評価が回復を左右する

参考・引用文献(クレジット)

1.Kapandji, I.A. The Physiology of the Joints, Volume 2: The Lower Limb. Churchill Livingstone

2.Neumann, D.A. Kinesiology of the Musculoskeletal System. Elsevier

3.Magee, D.J. Orthopedic Physical Assessment. Elsevier

4. Standring, S. Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier

5.Fox, A.J.S. et al. “The basic science of human knee menisci.” Sports Health

半月板損傷とは?

― 種類・対処法・関係する筋肉と神経まで、やさしく深く解説 ―

「膝が引っかかる感じがする」

「しゃがむと痛い」

「昔ひねった膝が、最近また不安定」

そんな症状の背景に、半月板損傷が関わっているケースは少なくありません。

半月板は、レントゲンには写らず、MRIで初めて評価されることが多い組織です。

そのため「気づかないまま使い続けて悪化する」ことも多く、正しい理解がとても大切になります。

半月板の役割とは?

半月板(Meniscus)は、

大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にあるC字型の軟骨組織です。

 

主な役割

衝撃吸収(クッション) 関節の安定化

荷重の分散

関節運動のガイド

つまり半月板は

👉 「膝を守りながら、スムーズに動かすための要」

と言えます。

 

半月板損傷の主な種類

半月板損傷は、損傷の形態によって分類されます。

① 縦断裂(縦に裂ける)

比較的若年者・スポーツ外傷に多い 血流がある部位なら自然治癒や縫合の可能性あり

② 横断裂(横に割れる)

加齢変性で多い 断片がめくれやすく、引っかかり感が出やすい

③ バケツ柄断裂

半月板が大きくめくれ上がる **ロッキング(膝が伸びない・曲がらない)**を起こしやすい

④ フラップ断裂

小さな断片が関節内で動く 痛みが出たり消えたりするのが特徴

⑤ 変性断裂

中高年に多い 明確な外傷がなく、徐々に進行

 

症状の特徴

膝の内側 or 外側の痛み

曲げ伸ばしでの引っかかり感

階段やしゃがみ動作で悪化

腫れ(関節水腫)

ロッキング現象

※ 前十字靱帯(ACL)損傷と合併するケースも多い

半月板損傷の対処法

① 保存療法(手術をしない)

安静・負荷調整 筋力トレーニング 可動域改善 炎症コントロール

👉 変性断裂や軽度損傷では第一選択

 

② 手術療法

半月板縫合術 半月板部分切除術

👉 若年者・ロッキングが強い場合に検討される

実は重要:半月板と「筋肉」の関係

半月板は筋肉に守られている組織です。

 

関連する重要筋群

◾️ 大腿四頭筋

膝の安定性を左右 特に**内側広筋(VMO)**の機能低下は要注意

 

◾️ ハムストリングス

脛骨の前後動を制御 過緊張は半月板への剪断ストレス増大

 

◾️ 膝窩筋

膝の「ロック解除筋」 半月板の動きと密接に関係

 

◾️ 内転筋群

膝の内側安定性に関与 内側半月板損傷と関連が深い

 

神経との関係も見逃せない

関連神経

大腿神経(L2–L4)

坐骨神経(L4–S3)

脛骨神経・腓骨神経

 

腰椎や骨盤の機能不全

下肢筋出力低下

膝関節の不安定化

半月板ストレス増大

という連鎖が起こることも少なくありません。

 

「膝だけ見ない」ことが大切

半月板損傷は

「膝の問題」だけでは終わらない

 

股関節の可動域

足関節の安定性

骨盤・体幹のコントロール

自律神経バランス(筋緊張)

 

こうした全身の連動を整えることで、

再発や慢性化を防ぐことができます。

 

まとめ

半月板は「膝のクッション兼ナビゲーター」 損傷の種類によって対処法は異なる 筋肉・神経・姿勢との関連が深い 局所ではなく全体で評価・調整する視点が重要

参考・引用文献(クレジット)

Magee, D.J. Orthopedic Physical Assessment. Elsevier Neumann, D.A. Kinesiology of the Musculoskeletal System. Elsevier Kapandji, I.A. The Physiology of the Joints, Volume 2. Churchill Livingstone Standring, S. Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier Cohen, M. et al. “Meniscal injuries: diagnosis and treatment.” Rev Bras Ortop

▶ 下部胸椎(T9〜T12)

① 神経支配

T9〜T12:腎臓・腸管・下腹部

👉 腰痛との連動が多い。

 

② 関係筋

腰方形筋(移行部)

広背筋下部

腹横筋連動

 

③ 運動特性

胸椎→腰椎移行ゾーン

安定性要求が高い

👉 反り腰・腰椎代償の起点。

④ 臨床パターン

腰痛前段階

反り腰

骨盤前傾過多

 

⑤ 患者説明用

「腰が痛い人ほど、実は“腰の一個上”が固まっていることが多いです。」

参考文献・資料

Kapandji IA. Physiology of the Joints, Volume 3: Vertebral Column.

Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier.

Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System.

Bogduk N. Clinical Anatomy of the Thoracic Spine.

Moore KL. Clinically Oriented Anatomy.

※本記事は上記文献および臨床経験をもとに構成しています。

▶ 中部胸椎(T5〜T8)

① 神経支配

T5〜T7:胃・肝臓・膵臓領域

T8:横隔膜下部連動

 

👉 自律神経反射が出やすいゾーン

② 関係筋

脊柱起立筋群

広背筋上部

前鋸筋後方連動

 

③ 運動特性

回旋:胸椎最大ゾーン

伸展:呼吸と連動

👉 呼吸浅い人はここがロック。

 

④ 臨床パターン

背中の張り

呼吸浅い

胃腸疲労感

 

⑤ 患者説明用

「背中の真ん中は“呼吸と内臓の中継地点”です。」

参考文献・資料

Kapandji IA. Physiology of the Joints, Volume 3: Vertebral Column.

Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier.

Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System.

Bogduk N. Clinical Anatomy of the Thoracic Spine.

Moore KL. Clinically Oriented Anatomy.

※本記事は上記文献および臨床経験をもとに構成しています。

上部胸椎(T1〜T4)

① 神経支配

主な関連

T1:上肢尺側・前腕内側

T2〜T4:胸部上部・交感神経心肺領域

 

👉 T1は腕のしびれ・手の冷えと関連しやすい。

 

② 関係筋

深層

多裂筋

回旋筋

表層

僧帽筋中部

菱形筋

肩甲挙筋(上部連動)

 

③ 運動特性

伸展:やや制限あり

回旋:中程度

側屈:中程度

 

👉 猫背で最初に固まるゾーン

 

④ 臨床パターン

巻き肩

首こり

肩甲骨内側痛

 

⑤ 患者説明用

「背中の上の方が固まると、肩や首が代わりに頑張ってしまいます。」

参考文献・資料

Kapandji IA. Physiology of the Joints, Volume 3: Vertebral Column.

Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier.

Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System.

Bogduk N. Clinical Anatomy of the Thoracic Spine.

Moore KL. Clinically Oriented Anatomy.

※本記事は上記文献および臨床経験をもとに構成しています。

頭痛シリーズ(整体視点)

① 整体で多い頭痛タイプ

緊張型頭痛

後頭下筋

僧帽筋上部 頚部筋群

👉 筋緊張型

頚原性頭痛

C1-C3由来 姿勢不良連動

👉 関節+神経連動型

 

② 評価ポイント

頚部可動域

後頭部圧痛

頭部支持時の違和感

 

③ 施術方針(教育)

局所だけ見ない

呼吸・姿勢含めて評価

神経刺激を避けた調整

 

④ 患者説明用

「頭痛は頭だけの問題じゃなく、首や姿勢が関係しているケースがとても多いです。」

参考文献

Bogduk N. Cervicogenic Headache.

Gray’s Anatomy.

Kapandji IA. Physiology of the Joints.

Moore KL. Clinically Oriented Anatomy.

上位頚椎と自律神経

① 上位頚椎とは?

C0(後頭骨)

C1(環椎)

C2(軸椎)

 

脳幹・迷走神経・椎骨動脈に近接する重要エリア

 

② 自律神経との関係

直接圧迫ではなく👇

筋緊張

血流環境

呼吸パターン

を介して間接的に影響

 

③ よくある症状

寝つきが悪い

呼吸が浅い

首こり+不安感

 

④ 評価ポイント

呼吸の胸郭拡張

頭位前方変位

頚部表層筋の過緊張

 

⑤ 患者説明用

「首の上の方は、自律神経に近い場所なので、首が固まるとリラックスしづらくなります。」

参考文献

Standring S. Gray’s Anatomy.

Netter FH. Atlas of Human Anatomy.

Neumann DA. Kinesiology.

Bogduk N. Cervical Spine Anatomy.

後頭下筋群まとめ

① 後頭下筋群とは?

頭の位置センサー的役割を持つ超重要インナーマッスル。

構成

大後頭直筋

小後頭直筋

上頭斜筋

下頭斜筋

 

② 主な役割

頭部微調整

姿勢反射制御

眼球運動と連動

👉 視覚×姿勢制御の中枢的存在。

 

③ 神経との関係

後頭下筋群の間を

大後頭神経が走行

👉 筋緊張

= 神経刺激

= 後頭部痛・頭重感

 

④ 臨床パターン

スマホ首

猫背

長時間デスクワーク

👉 慢性緊張 → 頭痛・めまい感

 

⑤ 評価ポイント

後頭骨下縁圧痛

軽度伸展時の詰まり

頭位保持時の過緊張

 

⑥ 患者説明用

「頭の付け根には“頭のバランスを取るセンサー筋”があります。ここが疲れると頭が重く感じたり、目の疲れが出やすくなります。」

 

参考文献

Gray’s Anatomy.

Moore KL. Clinically Oriented Anatomy.

Bogduk N. Cervical Spine Anatomy.

Kapandji IA. Physiology of the Joints.

C2(軸椎:Axis)

① C2(軸椎)とは?

C2は**歯突起(Dens)**を持つ特殊構造で、

頭部回旋の約50%を担う回転軸。

「いいえ」の動作の主役。

 

② 関係する筋肉

深層

下頭斜筋(C2棘突起 → C1横突起) 多裂筋(上位頚部)

👉 回旋制御・微調整

 

表層連動

胸鎖乳突筋 頭板状筋

 

③ 神経との関係

C2神経根 → 大後頭神経 後頭部〜頭頂部感覚

👉 C2周囲の緊張

=後頭部痛・締め付け型頭痛の温床

④ 可動性

回旋:約45度ずつ左右 屈伸は補助的

 

⑤ 評価ポイント(教育)

回旋左右差 下頭斜筋の圧痛 頭部回旋時の引っかかり

 

⑥ 患者説明用

「首の2番目は“首の回転軸”です。ここが硬いと、振り向き動作で首や肩が無理に動いて負担が出やすくなります。」

 

参考文献

Kapandji IA. Physiology of the Joints, Vol.3.

Gray’s Anatomy. Elsevier.

Bogduk N. Clinical Anatomy of the Cervical Spine.

Neumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System.