半月板損傷とは?

― 種類・対処法・関係する筋肉と神経まで、やさしく深く解説 ―

「膝が引っかかる感じがする」

「しゃがむと痛い」

「昔ひねった膝が、最近また不安定」

そんな症状の背景に、半月板損傷が関わっているケースは少なくありません。

半月板は、レントゲンには写らず、MRIで初めて評価されることが多い組織です。

そのため「気づかないまま使い続けて悪化する」ことも多く、正しい理解がとても大切になります。

半月板の役割とは?

半月板(Meniscus)は、

大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にあるC字型の軟骨組織です。

 

主な役割

衝撃吸収(クッション) 関節の安定化

荷重の分散

関節運動のガイド

つまり半月板は

👉 「膝を守りながら、スムーズに動かすための要」

と言えます。

 

半月板損傷の主な種類

半月板損傷は、損傷の形態によって分類されます。

① 縦断裂(縦に裂ける)

比較的若年者・スポーツ外傷に多い 血流がある部位なら自然治癒や縫合の可能性あり

② 横断裂(横に割れる)

加齢変性で多い 断片がめくれやすく、引っかかり感が出やすい

③ バケツ柄断裂

半月板が大きくめくれ上がる **ロッキング(膝が伸びない・曲がらない)**を起こしやすい

④ フラップ断裂

小さな断片が関節内で動く 痛みが出たり消えたりするのが特徴

⑤ 変性断裂

中高年に多い 明確な外傷がなく、徐々に進行

 

症状の特徴

膝の内側 or 外側の痛み

曲げ伸ばしでの引っかかり感

階段やしゃがみ動作で悪化

腫れ(関節水腫)

ロッキング現象

※ 前十字靱帯(ACL)損傷と合併するケースも多い

半月板損傷の対処法

① 保存療法(手術をしない)

安静・負荷調整 筋力トレーニング 可動域改善 炎症コントロール

👉 変性断裂や軽度損傷では第一選択

 

② 手術療法

半月板縫合術 半月板部分切除術

👉 若年者・ロッキングが強い場合に検討される

実は重要:半月板と「筋肉」の関係

半月板は筋肉に守られている組織です。

 

関連する重要筋群

◾️ 大腿四頭筋

膝の安定性を左右 特に**内側広筋(VMO)**の機能低下は要注意

 

◾️ ハムストリングス

脛骨の前後動を制御 過緊張は半月板への剪断ストレス増大

 

◾️ 膝窩筋

膝の「ロック解除筋」 半月板の動きと密接に関係

 

◾️ 内転筋群

膝の内側安定性に関与 内側半月板損傷と関連が深い

 

神経との関係も見逃せない

関連神経

大腿神経(L2–L4)

坐骨神経(L4–S3)

脛骨神経・腓骨神経

 

腰椎や骨盤の機能不全

下肢筋出力低下

膝関節の不安定化

半月板ストレス増大

という連鎖が起こることも少なくありません。

 

「膝だけ見ない」ことが大切

半月板損傷は

「膝の問題」だけでは終わらない

 

股関節の可動域

足関節の安定性

骨盤・体幹のコントロール

自律神経バランス(筋緊張)

 

こうした全身の連動を整えることで、

再発や慢性化を防ぐことができます。

 

まとめ

半月板は「膝のクッション兼ナビゲーター」 損傷の種類によって対処法は異なる 筋肉・神経・姿勢との関連が深い 局所ではなく全体で評価・調整する視点が重要

参考・引用文献(クレジット)

Magee, D.J. Orthopedic Physical Assessment. Elsevier Neumann, D.A. Kinesiology of the Musculoskeletal System. Elsevier Kapandji, I.A. The Physiology of the Joints, Volume 2. Churchill Livingstone Standring, S. Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice. Elsevier Cohen, M. et al. “Meniscal injuries: diagnosis and treatment.” Rev Bras Ortop

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