
健康維持や体づくりに欠かせない「タンパク質」ですが、その種類には大きく分けて「動物性」と「植物性」があります。どちらも体に必要な栄養素ですが、含まれる栄養のバランスや体への働き方に違いがあります。
今回は、動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いを、メリット・デメリットを交えて分かりやすく解説します。
◆ タンパク質ってなに?

まず、タンパク質とは、筋肉・内臓・皮膚・髪の毛・爪・ホルモンなど、私たちの体のあらゆる部分を構成する大切な栄養素。体内ではアミノ酸に分解され、そこから必要なタンパク質を再構成して利用されます。
◆ 動物性タンパク質とは?

肉・魚・卵・乳製品などに含まれるタンパク質です。
◎メリット
• 必須アミノ酸のバランスが良い(=「アミノ酸スコア」が高い)
人間の体に必要な9種類の必須アミノ酸が、バランスよく含まれているため、効率よく筋肉や組織の修復・合成が行われます。
• 吸収率が高く、体づくり向き
筋力アップ、体力強化を目指す方や、成長期・回復期の栄養補給にも向いています。
• ビタミンB群や鉄分、亜鉛なども豊富
エネルギー代謝や血液づくりに必要な栄養素も同時に摂れる点もポイントです。
△デメリット
• 脂質・コレステロールが多くなりがち
特に赤身の肉や加工肉は飽和脂肪酸が多く、摂りすぎは生活習慣病のリスクになります。
• 消化に負担がかかることも
高齢者や胃腸が弱い方には、消化に時間がかかることがあるため、量や調理法に配慮が必要です。
◆ 植物性タンパク質とは?

大豆製品(豆腐・納豆・味噌)、豆類、ナッツ、全粒穀物などに含まれるタンパク質です。
◎メリット
• 低脂質・低カロリーでヘルシー
脂肪が少ないため、ダイエット中でも安心して摂取できます。コレステロール値を気にする方にもおすすめです。
• 食物繊維やフィトケミカルも豊富
腸内環境を整える食物繊維や、抗酸化作用のある植物由来成分も一緒に摂れます。
• 長期的な健康維持に貢献
植物性中心の食生活は、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病予防にもつながるという研究もあります。
△デメリット
• 必須アミノ酸のバランスが不十分な場合も
一部の必須アミノ酸が少ない食品もあり、単独で摂ると「アミノ酸スコア」が低くなることがあります。
• 筋肉合成効率はやや劣る
動物性に比べて筋肉増強には不向きとされる面もあり、運動と組み合わせる場合は意識的な食事の工夫が必要です。
◆ バランスよく組み合わせるのが理想!

どちらが「良い」「悪い」ではなく、それぞれに特徴があるため、偏らずに両方をバランスよく摂取することが重要です。
例えば――
・朝は納豆や豆腐(植物性)
・昼や夜は魚や卵(動物性)
というように、1日の中で自然に組み合わせることができます。
また、植物性でも「穀類+豆類」「ナッツ+大豆」など、異なる植物性食品を組み合わせることで、アミノ酸のバランスを補うことができます。
◆ 体づくり・不調予防に合わせた選び方

整体治療室CORAILでも、栄養バランスの大切さを施術後のアドバイスでお伝えすることがあります。筋力低下や慢性的な不調を抱えている方には、動物性でしっかりアミノ酸を補うことが必要なケースも。一方で、疲れやすさや内臓疲労がある方には、植物性中心の食事で消化に負担をかけないようにする工夫も提案しています。
📚 主な参考文献・情報源
1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2020年版
– アミノ酸スコアやタンパク質の必要量に関する基準の参考。
2. 農林水産省「食事バランスガイド」
– タンパク質の種類や、食品ごとの特徴について。
3. 日本栄養士会 公式サイト「栄養と健康」
– 動物性・植物性の栄養学的比較について。
4. 国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」
– 食品に含まれる栄養成分、アミノ酸についての公的見解。
5. Harvard T.H. Chan School of Public Health
– 特に植物性タンパク質と生活習慣病予防の関連について言及されているリソース。
6. 文部科学省「食品成分データベース」
– 食品ごとのアミノ酸スコアや栄養素含有量の根拠に。