体内時計は人間だけじゃない

体内時計は人間だけじゃない

 

人間以外の生物も、多くは体内時計をもって生活しているんです。

 

わかりやすいのが蝉や蠅などの羽化を行う生き物。

これらの生物は、天敵が活動していない時間帯である早朝を狙って羽化を行います。

羽化する瞬間は無防備で、天敵に見つかると逃げられないからですね。

 

羽化を行うには、あるホルモンを数時間前から分泌する必要があります。なので蠅や蝉は、日の出の時間帯から逆算してこの準備をすることになります。

この「日の出の時間」を推測できるのが、彼らの持つ体内時計ということです。

太陽が昇って沈むのを見れば誰でも簡単に1日の昼夜のリズムを知ることは出来ますが、そういった手がかりがなくとも1日のリズムを知ることが出来るのが体内時計である。

 

ここまでの話だと昆虫の小ネタ話になってしまいますが、ここからが本題。

実は私たちの体を構成する個々の細胞もすべて時計機能をもっていて、1日のリズムを刻んでいます。

しかし、各細胞のもつ体内時計機能は、実際の時刻との誤差も大きく、また細胞間でもバラつきがあるんです。

この誤差を修正する機能を持つのが『体内時計中枢』というもの。

人間を含む哺乳類の場合、脳の中にある『視交叉上核と呼ばれる場所が中枢の役割を担っています。

この視交叉上核が、体内の時計機能をまとめてくれているんですね。

ではここから少しマニアックなおはなし。

脳の奥に向かって、左右二つの眼球からのびている視神経の束があります。その視神経の半分ほどは視床下部の『視交叉』と呼ばれる場所で左右が交差します。

視床下部は《呼吸》《血圧》《消化酵素の調整》など人間が無意識に行っていることを管理する場所ですね。

 

体内時計中枢の視交叉上核は文字通り、この視交叉のすぐ上にあります。大きさは直径1mmほどで、視交叉の直上の点をはさんで左右両側に一個ずつ、合計2個存在します。

視交叉上核の内部には1万個の神経細胞がつまっていて、そのひとつひとつが、ほぼ24時間周期で変化する電気信号を発信しているんです。この2個の視交叉上核を破壊されると体内時計の作用が消失してしまいます。

夜行性のマウスで実験してみると、体内時計を破壊しても、一見しただけでは何の変化も見られなかったといいます。普通に飼育した場合は太陽光を感知して調整できるため、体内時計を壊されたマウスも同じような正常なリズムで活動できるためです。

 

では、昼夜が太陽光でわからない、暗い世界で飼育したら?

正常なマウスは暗くても変化なく規則正しく生活するが、体内時計を壊されたマウスは、とたんに不規則な生活習慣になります。

 

いかに体内時計が重要かがわかりますね。

 

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